売名と偽善(2)

福島の青い空(611)
売名と偽善(2)
 
私らの年齢になると売名や偽善行為はちょっと見ればすぐ分かる。
 
寄付をもらう行為はすべて偽善である。たいがい食ったり飲んだり
 
したりして、最期は自分たちの懐に入れる。
 
驚くべきは役場などの公務員が、こうした売名、偽善行為の仲間に
 
入って便宜を図り、本来自分たちがやらねばならない、役場の仕事
 
を下請けに出して、あまつさえ、その仲間から飲み食いの提供を受
 
けていたことが判明した。
 
それは各地の災害現場で起きていることである。
 
災害復旧になるとどこからともなくボランティアがあらわれて、仕
 
切り始める。
 
尾畠春夫さんは特別で、あの人はこのことを用心して、寄付など一
 
受け付けない、飲み食いなど一切謝絶している。スーパーボラン
 
ティアといわれるゆえんである。
 
人間は普通にしているとつけいる隙がないのである。飲食などをす
 
るから馬脚が現れる。
 
寄付を受けないボランティアは全く話が違います。違う種類の人た
 
ちです。だからひとのできないことに気が付くし、山登りで鍛えた
 
カンは通常の人たちの第6感をはるかに凌駕します。
 
そういう自然に鍛えられた人間だけが真実に近づけるのです。
 
自然に鍛えられたということは日頃の精進ということです。
ブログでも寄付を乞うコーナーがあるが、あれは乞食のことであ
 
る。
 
ああいうことをしなければならないひとはブログなどやっていては
 
けません。どんなにいいことを言っていても、寄付してください
 
どと言ってるところを聞くと、すべてがインチキに聞こえてきま
 
す。
 
たしかにそうだと思います。
原発事故があって、世の中に寄生している有象無象が一斉に出てき
 
た。便乗主義者たちが連名で本などを出している。
 
いい機会だから紹介する。いや本の宣伝はなく、著者の行状とプロ
 
フィールである。
 
作品とそのひとの行状は一致しないというのは嘘で、無頼な生き方
 
をする人は無頼な作品しか残せませんし、自殺するような人は、自
 
殺してしまいそうな作品しか残せません。
 
暇つぶしに読むのならいいのですが、心酔して、生き方までつぶさ
 
に学ばねばならないとなるとこれは問題で、ちょっと待てと言いた
 
くなります。
 
幸せになるための「福島差別」論』という本がある。
 
これはまるっきりの体制側の提灯記事で国の思惑を忖度した記事で
 
埋め尽くされている。
 
まずここに出てくる番場さち子という人である。
 
この人は南相馬市の一般社団法人「ベテランママの会」の代表者で
 
る。何のベテランだかはらない。
 
それが東電廃炉推進カンパニーの石崎代表(東電副社長)と不適切
 
係になり、痴話騒動になって、週刊文春にすっぱ抜かれた。
 
手切れ金を5千万円を要求されたとかしたとかという話である。
 
金が欲しい「ベテランママの会」は当然スポンサーの東電の下請け
 
なって、復興事業と称する事業を運営する。ベテランママの会が
 
ふんどしで相撲をとっているのである。
バックは東電の石崎代表で資金は潤沢で、おそらく二人してわが世
 
春を謳歌していたことだろう。
 
未だ避難中の人びとがいるにもかかわらず、復興と称して、だれか
 
がうまい汁を吸っている。「復興」「絆」「福島は負けない」など
 
と適当なことを言ってるやつらは、みなこの手あいで、ひとの生き
 
を食おうとしている輩である。
 
このスローガンを言ったり叫んだりしている人たちすべてが便乗主
 
義者と言います。
 
福島の狭い範囲で見聞した限りにおいては、何ごとか運動して、こ
 
をなそうとしている人たちは必ず寄付を募っている。
 
寄付を募らねばやれないことはやるなって言ってる。やらない方が
 
いい。
 
スケベで売名で結局偽善です。立派なことをいくらやってもゼロで
 
す。ゼロにいくらかけてもゼロです。
 
ボランティア活動の終焉はすべて金銭トラブルが原因です。
 
最初から何もしない方がよかったんです。
 
尾畠さんのように自分の身の丈で活動していればいいのです。
 
1食100円くらいのパックのご飯に水をかけて、梅干しでも食っ
 
みれば、スーパーボランティアの気持ちが正確にわかります。
 
山登りで鍛えた人は違うんです。
 
福島には油断のならない者たちがわんさかいる。高校生たちをたば
 
り、そそのかして、国道6号道路を清掃しようなどと言って、放
 
射線の中を歩かせている。自分たちだけで放射線を浴びてればい
 
い。高校生をなんで巻き込む。
 
また高校生たちを原発爆発発現場に案内して、放射線の中をあるか
 
る。親の許可をもらっているそうだ。バカな親もいるものであ
 
る。親の顔を見てみたい。
 
その高校生たちを案内してあるっているのは早野龍五という言う人
 
ある。糸井重里とか、開沼博とか亜流がいっぱいである。
 
亜流というのは御用学者という意味である。
 
いろんな形の御用学者が巧みに世の中に便乗して暗躍している。
 
反原発や脱原発などと言って時流に便乗しているが、実は原発推進
 
なんである。おおやけから金をもらっているひとは、みな便乗主
 
義者で推進派というところです。こういう見方をしていればまず間
 
違いありません。おおやけとは国、県、ということで、学校の教師
のことです。
 
国道6号線清掃作業も国から助成金だか補助金だかをもらってんで
 
す。おそろしい世の中である。油断してると自分がいつ巻き添えを
 
って、原発推進派、ベクレル容認派にされるかわからない。
 
社会の風潮は福島の放射能汚染はたいしたことなく、すでに復興し
 
います。忘れてください、今度はオリンピックです。などと言っ
 
て騒いでいるが、冗談ではありません。
 
福島市は平米あたり60万ベクレルが降り注ぎました。一部地域は
 
240万ベクレルです。山野や生活空間に降り注いだのです。
 
除染などできるものではありません。風が吹けば放射能が口から飛
 
込んでくるのです。そんなこと当たり前です。何言ってんです
 
か。放射能汚染はなかったことにしてください。などと言ってるの
 
はだれ
 
波汐國芳短歌集から 書庫「放射線の中での暮らしより
 
余所者の目もて福島見る人ら    
     ほんとの何が見えるというの
原発事故 福島でよきと余所人ら
      ぽろりとこぼしし本音の重さ