運命の力(1)

 

運命の力(1)

 

 

今日の短歌

 

峠の道越えんとしつつ

    「原発が燃えてるよ」の声に振り向く  波汐国芳

 

 

波汐國芳 福島市在住、いわき市出身 福島県短歌会会長など歴任。1925年生まれ 

 

 

 

 

 

はじめに

 

運命は変えられるなどといい加減なまやかしを言って回っている人たちがいますが、運命は変えられ

 

ません。運命は変えられないから運命というんです。

 

運命はかえられたと思う人はかえられた運命が以前から決められていた運命なんです。ある日突然不

 

幸になったり、幸せになったりすることはそういうめぐりあわせだったわけで、運命によってあらか

 

じめ決められていたことなんです。

 

天にはスーパーコンピューターがあって、森羅万象がすべて、コンピューターによって統率され、そ

 

の行為のすべてが一定の制御下にあります。そんなこと当たり前です。

 

なぜ当たり前かというと、宇宙がめちゃくちゃな動きをしていないからです。美しい調和を持ってわ

 

が銀河系も、他の銀河系も運営されています。中国とアメリカやロシアのような銀河系があっては大

 

変です。銀河系同士ではぶつかりあわないんです。

 

宇宙の意志とは安定なんです。安定を欠けば弾き飛ばされるわけです。ここが一番重要なことで、そ

 

のことからものごとのさまざまなことは安定性を欠くかどうかにかかっているわけです。

 

スーパーコンピューターは人間が明日何を考えるかまで分かるんです。そればかりか、10年後20

 

年後にどうなるのかまで、すべて分かっていて、われわれの行動はすべてその運命によって決められ

 

ています。ただ我々はその一から十まで知らされていないだけです。

 

人間のだれだって、一秒後の自分を知り得る人はありません。一寸先は闇なんです。

 

ただひとめぼれなどという言葉があるように、あった瞬間にすぐ結婚を意識してしまうような、人た

 

ちもいます。さらに結婚や就職など人の重大な決断をする時は、自分の考えだけでなく、そこには感

 

情の働きがあります。決定するのは好きか嫌いかの感情です。

 

人間の知能が感情の働きに左右されるのは、これはいたしかたないと思われていますが、これは運命

 

にしたがっているということなんです。つまり運命とは感情のことなんです。

 

感情とはさまざまな記憶の媒体でフラッシュメモリーのことです。地球の生命の歴史から、微生物か

 

ら脊椎動物まで進化した、その間の35億年の生命の歴史をすべて記憶しているわけです。

 

どんな人でも、最初は卵で、そこからエラや尻尾が出てきて、オタマジャクシのようになり、やがて

 

エラや尻尾がなくなって、今度はゴリラのような毛むくじゃらになります。やがて生まれてくるとき

 

には真っ黒い毛はすべてなくなって、珠のような赤ちゃんになって生まれてくるわけです。

 

もちろん髪の毛は残ります。最初から禿げて出てくる赤ちゃんはいません。

 

以上のことから人間は自然というものの意志を知らねばなりません。

 

人の好き嫌いを決めているのは大腸菌です。ムシが好かない、はらのムシがおさまらねえ、などと言

 

ってますが、あれは大腸菌が意思表示をしてんです。大腸菌がこの人はいい、あの人とは気が合いそ

 

うだなどということは、すべて大腸菌が決めてんです。バクテリアのことです。

 

あらゆる生命体はバクテリアによって生かされているわけです。バクテリアが生命体を生かすことに

 

よって自分が生きてゆくためです。だいたい人間の体内には2kgもバクテリアが住んでいます。

 

それが日々生命活動をして、日に400gほどが死んでゆきます。そのバクテリアの死がいが便で

 

す。

 

だから人間の運子はだいたいがバクテリアで食物の残滓はほんのわずかです。だからぎょっとして、

 

こんなに食っていたのかぁ~などと驚くにはあたらないんです。

 

昨日のように今日も同じことがやってくると考えている人は馬鹿です。必ずそこには何があるかわか

 

らないという一定の保留がなければなりません。昨日まではこうだったからこれからもそうだろう、

 

と考える人は変事に対応できず墓穴を掘ります。経験則という言葉がありますが、人間はさまざまな

 

経験則で日々暮らしています。つまり経験していないことは分からないんです。

 

経験していないことが起きると慌てます。震災当時の官僚たちのように手の舞い足の踏むところを知

 

らずというほどに慌てふためきます。

 

私は原発事故にあって、とっさの対応が分かりませんでした。経験したことがなかったからです。

 

放射線に対する対応、食物の摂取、避難者に対する対応、政治やマスコミに対する対応はすべて未経

 

で、すべて一からの出直しでの勉強でした。それでもわからなくて悔しい思いをしました。

 

当時産経新聞を読んでいましたが、これは司馬さんのいた新聞社だからです。当時「朝の詩」という

 

欄が1面にあって、全国の詩人たちが投稿していました。

 

その中に当時7歳の女の子がいました。

 

平岡アミちゃんと言いました。その子の投稿を楽しみにしていました。

 

1994年ニューヨーク生まれ、平岡アミちゃんです。

 

 

おみおくり

 

おみおくりが

だいすきです

 

おうちでばいばいじゃ

つまらないから

 

かどまでいって

しんごうまでいって

 

それから

えきまでいって

 

いそいでかえってきます

 

 

 

六さい

 

きょうで

六さい

おわりだけど

 

そんなに

どきどき

しないよ

 

ちょっと

さみしい

かんじかな

 

 

 

くも

 

くもがなみになって

そらをうみにしている

きれいだな

そらにはつきのペンダント

うみにはなみのネックレス

 

 

こいのぼり

 

こどもを

いちばんうえに

してあげれば

いいのにね

 

 

 

産経新聞でこういう詩を読んでいました。私だっていきなりこの歳になったわけではありません。

 

7歳の子の詩などを読んでほっとしていた時期などもあったんです。

 

そういう日常が原発事故で無惨なことになりました。

 

シッチャカメッチャカでした。

 

以上は話の前ふりです。

 

 

 

避難者数

 

まず正しい避難者数を確認します。

 

国の施策や方針がいかに実態を知らせずうやむやにして、事故がなかったこと

 

にしようとしています。現実には26万人が自宅に帰れないで全国を漂流して

 

るんです。この数字は変わっていません。

 

 

避難者数の推移  時 点  避難者数

 

発災3日目 3月12日  約47万人

 

平成24年4月 1年目  約34万人

 

平成25年4月 2年目) 約31万人

 

平成26年4月 3年目 約26万人 この頃から実際の避難者数は減っていません。

 

平成27年4月 4年目  約22万人

 

平成28年4月 5年目 約17万人

 

平成29年4月 6年目 約11万人

 

平成30年2月7年目  約7万人

 

平成31年3月8年目  約6万人

 

 

これは復興省の数字ですが、これはみなウソで、避難者は変わらず減っていませ

 

ん。だいたい26万人くらいが妥当な数字だと思います。私のいってる避難者とは

 

まだ自宅に帰れないということです。

国は警戒区域を解除したから、みんな帰っていい、したがって今日から避難者では

 

ありません。といって、避難者を分断しました。帰還困難区域の人は今でも避難者

 

ですが、解除されたところの人は避難者とは呼ばれないんです。んじゃ、なんと呼

 

ばれてんの。「自主避難者」です。

 

原発事故で自主的に避難している人などいないでしょう。つまり勝手に避難してい

 

ることにされてしまった。カラスも白くされてしまったということです。

 

国の分類によると、帰ることができるのに勝手に危ないと判断して帰らない人のこ

 

とです。

 

そういう人たちがおよそ18万人もいるということです。そういう人たちをしり目

 

に今度はオリンピックだなどといって騒いでいるわけです。必ずバチがあたりま

 

す。

 

どういうバチかということを研究するのが当面の目的です。言ってることが分かっ

 

てもらえますかね。

 

 

人口減       175、783人  福島県から転出者(住民票を移した人)
県外の避難者数  32、476人  福島県に住民票のある人
県内の避難者   48、161人   別途集計(県内各地に避難した人)
 

 

避難者合計   256、420人

 

 

※要するに自宅に帰っていない人が256、420人いるということです。

避難地域が解除されて、避難者が自主避難者になったこと、故郷は役場だけが戻っ

ても町民は5%~15%しか戻らず、町の機能は復興していないということにはホ

ッかぶりしてんです。

役場の職員だけでは町の機能は復活しません。病院や学校などの教育施設、商業施

設、交通、銀行、郵便などの公共機関などが復活しない限り、町は復興しないんで

す。

 

詳細は以下を参照してみてください。私に行ってることがウソや大げさでないこと

がわかります。

実際26万人が自宅に帰っていないんです。

今度また爆発したら車は渋滞するからバイクで逃げろなどといわれて、帰られます

か。二度目だから慣れてるから大丈夫だなどといわれてんですよ。

https://ameblo.jp/a1927115115-02/entry-12547110651.html

 

なぜサンケイ新聞の購読をやめたかというと以上のような原発事故の報道が一切な

かったからです。

たしかに福島県のサンケイ読者は少ないです。そうだからといって、避難状況や、

放射能状況、汚染状況、喫緊のとりあえずの課題などを読者に知らせるべきであ

る。それが何ひとつ情報がなかった。

外信からでも正確な情報は入ります。政府から出なかっただけです。すべて政府の

いいなりでした。

したがって読者が不利益をこうむったわけです。

事故後数日を経ずして地元の福島民友新聞に代わりました。それがまた、この新聞

は読売新聞の子会社で情報は親会社の指示で隠ぺいするやら、ウソの報道ばかり

で、えらい目に遭いました。

家人に変えてくれと何度も懇願したかわからない。それで4年もとらされた。事情

を聞くと、ビール券やテッシュや日用品をもらって買収されていたのである。なに

かもらうと断れなくて4年間もずるずる購読させられていました。

ネットが頼りでした。なかでも武田邦彦博士や福島出身の作家たくき・よしみつさ

んの記事には助けられました。武田博士は私と同じ世代ですから信用できるんで

す。たくきさんは福島市出身だから信用できるんです。

ネットで教えまくり、途方に暮れている親たちに教えまくりました。福島の作物を

食わないこと。マスクをすること。外で遊ばないこと。山下俊一とはまるで逆のこ

とを言って回りました。すでに母乳からはセシウムが検出されて、子供の尿からも

セシウムが検出さていました。福島の野菜などの食物は一切食わないことを言いま

した。報道はそういうことは一切言いません。総理府からはたくさんの野菜が摂取

禁止になっているのに福島県は一切そういうことは言ってませんでした。

つまり新聞でも報道してなかったことです。

ぎゃくに500ベクレルまでは食っていいんだという説明です。それでずいぶん被

ばくしました。

県や市の情報やマスコミの情報を信用している人たちからはすっかり反発されまし

た。逆のことを言っていたからです。政府や県の情報を信じていた人たちは、すっ

かり安心していたんです。農作物を子供に食わせて、とんでもない被害が出ま

た。あれはやっぱり間違っていたんだと分かってもあとのまつりでした。

医大では自分たちやその家族ばかりが安定ヨウ素剤を飲んでいたことが発覚しまし

た。市民には服用をさせずに自分たちばかりが服用してたんです。

そういうデタラメばかりを報道して、県も市もいい加減な情報を流しました。水道

の汚染などは隠ぺいしていたんです。福島市長は対抗の候補者に3倍もの差をつけ

られて惨敗しました。