福島の青い空 生活と意見(1)

 

福島の青い空 生活と意見(1)

 

 

 

久しぶりにゆったりとした時間が持てた。

 

いままでは時間がないので余暇はすべて読書に充てていた。

 

会津の町史や村史で本まみれになっていた。その合間を見て

 

現地の歴史を確認したりして去年は忙しかった。

 

俺、来月で満76歳だぁ~。

 

今年の第一の目標は青森県の岩木山に登ることである。ミチ

 

ノクコザクラをぜひ見てみたい。サクラソウの仲間でハクサ

 

コザクラと似ているが、もっと色が派手である。

 

岩木山にしかない。

 

花期は7月上旬だろう。

 

以下は蔵王の不忘山のユキワリコザクラです。この花のピン

 

クがもっと強烈なものです。

 

こういうガンケの割れ目に楚々としてしがみつくように咲い

 

ているのが高山植物です。痛々しいではないですか。

 

高山植物のぜったいの魅力です。ああ、考えると後頭部がく

 

らくらしてくる。だれにもわかってもらえなくてもいい。

 

自然はインタナショナルだぁ~。

 

この歳になっても見たい花もある。

 

ヒマラヤの青いケシの花だ。

 

ヒマラヤの5000m前後のモレーン(堆石)に咲いている

 

という。メコノプシスホリデュラ ケシ科。

 

5000mでは高山病の恐れがあるなどという心配はしない

 

ですんだ。家族も兄弟も親戚もみんな安心だ。

 

イメージ 7 

 

予定を立ててみるとどうも前夜の新幹線の夜行で行くと日帰

 

りできるようなのである。

 

町史や村史は去年でほぼ終わりで、今年を別な展開を迎えて

 

いる。以下の本を目下借りてきている。

 

 

佐高さんの本はほとんど2度目である。早野透さんの「田中

 

角栄」は初めてである。佐高さんと早野さんは二人でユ―チ

 

ューブで対談などをしている。よく見ている。

 

佐高さんの先見性、批判精神を私は高く買っている。正しい

 

批判精神があるから先見性があるのである。佐高さんも早野

 

透さんも私とほぼ同年である。戦争中の生まれ。

 

早野さんは東大、佐高さんは慶大で私は青い空大学だ。

 

こういう人たちの話を聞き、日々自分を新たにする精神はま

 

だまだ衰えていない。まさにご同慶の至りである。

 

山に対する情熱、孤独を克服する信念、高みを目指す精神は

 

長年自分を律してきた信条だ 。垂直への志はすでになくな

 

ったが、高みを目指す精神はまだ失っていない。

 

たくきよしみつさんの「裸のフクシマ」は3度目だ。京都の

 

知人に紹介したので、いっしょに読もうと思ってまた借りて

 

た。

 

避難者に心を寄せることは今のところそれぐらいしかできな

 

い。以前にも朝日新聞の「プロメテウスの罠」を紹介し

 

ことがある。奥さんと二人で熱中して読んだと聞いて非常

 

うれしかった。今度もこの本を奥さんと読んでいることだ

 

考えるだけで気持ちがいやされる。

 

避難者は当時は避難の最中で原発の事情も政府や東電の動き

 

も県の方針も何も分からず、やみくもに逃げ惑っていて、4

 

度も5度も居所を変えて、最後にやっと京都に落ち着いた。

 

だから当時の自分たちを含めて、原発の真実、放射能汚染、

 

避難地区の現実、補償の実態などを最近になってようやく調

 

査し出したのだと思っている。

 

あの避難の日々から冷静に現実を見つめるまでにはそのくら

 

いの月日を必要とするのである。

 

そのためには福島市出身で原発爆発当時、原発から30キロ

 

圏に在住していた川内村のたくきさんの「裸のフクシマ」が

 

一番いいと思って推薦した。過不足なく実態を伝えているの

 

ではなかろうか。たくきさんは現在は日光市に転居。

 

県外の人たちから原発についてどのようなご高説を承っても

 

われわれの心に響くものではない。

 

福島市の人、川内村の在住ということばですぐ読むと言って

 

くれた。

 

案外わたしの「福島の青い空」も避難者にとって、十分理解

 

されているのではないかと思っている。

 

立場が一種特殊だからだ。

 

県外の人たちの考えとは一線を画します。さらに県内の人た

 

ち、避難者、被災者などの人たちとも微妙に立場が違いま

 

す。「福島の食物は食うな」などという私の意見は到底地元

 

の人たちには受け入れられるものではない。

 

だから当初は風あたりがひどく、いわば白い目で見られた。

 

福島ナショナリズムからすると到底看過できるものではなか

 

ったのだ。それがだんだん時が過ぎ、被害の現実、内部被ば

 

く恐ろしさ、県内のホールボディカウンターなどの検査を経

 

て、少しずつ被害の実態がわかってからは、福島県内の人々

 

も容易ならざる事態に次第に目を向けるようになった。

 

それまでは政府や県の嘘八百、マスコミのデタラメ報道、御

 

用学者の跋扈でさんざんだった。われわれが何を言っても信

 

じてもらえなかった。

 

ずうっと何年もの間、政府や県やNHKのいうことは絶対だと

 

いわれていたのである。

 

おそらくたくきさんの「裸のフクシマ」を読んで目を白黒さ

 

れていることだろう。いま読めば当たり前のようなことです

 

が、2011年10月の時点でこれだけ正確に原発の実態を

 

つかんでいる本はありません。

 

現場で感じたことが重要でNHKのジャーナリズムETV特集 ネットワ

 

ークでつくる放射能汚染地図、朝日新聞のジャーナリズム「プロメテウ

 

スの罠」)、TBS震災報道スペシャル 原発攻防180日の真実 故郷はなぜ

 

奪われたか。などは真実を述べて貴重であったが、今はすでに忘

 

れ去られて、ほとんど歴史になっていて振り返る人もいなく

 

なっている。

 

今日は広島高裁で伊方原発の運転差し止めの仮処分命令が出

 

された。まもなく9年である。今もこんなことやって騒いで

 

いる。それも地裁の本判決が出されるまでの間だけの効力だ

 

そうである。まだまだ紆余曲折があると思っていた方がよ

 

い。大事なことは裁判官も国から給料をもらっていて、判事

 

の電力会社などへの天下りは事実だからである。日本人だも

 

のなにすっかわからない。

 

長くなったんで以下次回にします。